1998年、長野オリンピックでタラ・リピンスキーさんの演技を見て、フィギュアスケートの沼に落ちてもう24年
当時8歳だった自分は、音楽に合わせてクルクル回っている姿がきれいだな、かっこいいなと思った記憶がある
歳を追うごとに競技への理解も深まり、ハマり具合は増していく一方である
自分はなぜこんなにもフィギュアスケートに惹かれるのか
まず最初の記憶、音楽に合わせて回転するという要素が大きい
音楽が好きで、回転することも好き
これは幼いころからの好みだから根本的に持っているものなんだろう
二つめは、音楽を身体で表現するという要素
踊ることも元来好きである
スケーターが自身の身体を使い、スケート技術と舞踊の技術をミックスさせて音楽を表現することはとても魅力的だ
三つめ、決められたルールのなかで各々が自分の最大限を発揮するという要素
ジャンプ、スピン、ステップ・ターン、リフトの種類にはルールがはっきりある
ショートプログラム(リズムダンス)、フリースケーティングともに、入れられるジャンプ・スピン・ステップ・リフトの数は決められていて、その範囲内で選手は自分が持ちうる最大限の能力を出せる構成を組む
ルールに則って個性を出すということが競技性を高めていて面白いと思う
四つめ、技術的な部分と芸術的な部分のどちらが欠けても勝てないという要素
これは近年、少し傾向が変わっているけど、もともとフィギュアスケートは技術だけでも美しさだけでも勝てないというものだと思っている
選手それぞれが自分の強みを活かして技術・芸術の総合力を競うという部分にとても興味を惹かれる
最後に、採点競技であるという要素
なんといっても数字は魔力なのだ
これはASDの特性がかなり強く出ていると思うけど、アイスショーでは物足りない
それは採点されないから
技術点、演技構成点が積み重なっていく過程に強く惹かれる
中継でTESカウンターが表示されるようになったばかりの頃は邪魔だなと思っていたけど、今は速報値でレベル判定、GOEの加点・減点幅を予測することが楽しみになってさえいる
演技の美しさを堪能する一方で、技術を数値化する作業を頭の中で瞬時に行いながら観戦するという面白さ
競技終了後に公開されるプロトコルを見て答え合わせをする面白さ
これは採点競技だからこその醍醐味である
幸せなことにフィギュアスケートをしている選手は世界にたくさんいて、大会を見ることができるから、お気に入りの選手を見つけて応援できる
強いから好きなわけじゃなくて、自分の好きセンサーにビビッと反応する選手が好き
音楽をよく理解している選手、すべての要素にまんべんなく気を配れる選手、自分の良さを武器にできている選手、なにより見ていて楽しいと思える選手が好き
幼いころから長い間、毎日のように練習を重ねて試合に臨んでいる選手たち
その姿を見られることがなにより幸せで選手のみんなにありがとうといつも思う
北京オリンピックも大変な状況のなか、試合でスケートを見せてくれて本当に力になった
フィギュアスケートほど自分が強く惹かれる競技はない
これからも見る側の勉強をしっかりして楽しんでいきたいなと思う